諧謔音楽CD

諧謔音楽CD

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「諧謔音楽」は、山田千代美(ソプラノ)、大竹尚之(リコーダー)、佐藤豊彦(リュート)の三氏によるアンサンブルです。「諧謔音楽」の名の由来はモンテヴェルディの『Scherzi Musicali (1632年)』より。


「イタリアバロック「愛とドラマ」の音楽」 2003年7月録音

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【レーベル・型番】
Brain Music(アントレ) EBM-203515

【使用リュート】
リチャード・バーグ製作8コース・ルネサンス・リュート(ヴェネーレ・モデル、総ガット弦)
マルティン・デ・ヴィッテ製作アーチリュート(ココ・モデル、総ガット弦)
マルティン・デ・ヴィッテ製作キタローネ(ヴェネーレ・モデル、総ガット弦)

【収録曲】
1.私はつまづき倒れ(モンテヴェルディ)
2.パッサカリア(カプスペルガー)
3.遮られた望み(カプスペルガー)
4.2つのレセルカーダ(オルティス)
5.東洋の門から(カッチーニ)
6.リチェルカータ(バッサーノ)
7.それは本当なのか(モンテヴェルディ)
8.トッカータとカンツォーナ「勝利」(フレスコバルディ)
9.さよなら,愛しい人(フレスコバルディ)
10.カンツォーナ{ベルナルディーナ}(フレスコバルディ)
11.いつまでも歌い続けたい(クアリアーティ)
12.シャコンヌ(ピッチニーニ)
13.この世から消え去りたい(モンテヴェルディ)

【解説】
ブックレットの解説文は佐藤豊彦氏の執筆によるものです。2曲目のカプスペルガー、8曲目のフレスコバルディ、12曲目のピッチニーニの3曲が佐藤豊彦氏のソロで、総ガット弦での演奏になります。。カプスペルガーはたぶん初録音、フレスコバルディとピッチニーニは81年(と91年)の録音がありますが、いずれも、金属弦やナイロン弦での録音だったため、ここでは、ガットならではの全く違った境地を聴くことができます。
David van Ooijen氏による詳細なCD評がありますのでご紹介させていただきます。『イタリアの初期バロックの作品を収める「愛とドラマのバロック音楽」。演奏は、山田千代美(ソプラノ)、大竹尚之(リコーダー)、佐藤豊彦(リュート、テオルボ、アーチリュート) の三人。全員が演奏するモンティベルディの「私はつまずき倒れ」や、クアリアーィの「いつまでも歌い続けたい」のほか、リコーダーとリュート、リコーダーソロ、アーチリュートやテオルボのソロなどもある。アンサンブルの楽しさもさることながら、佐藤豊彦の全弦ガットでの独奏が素晴らしい。カプスペルガーの「パッサカリア」や、フレスコバルディの「トッカータとカンツォーナ”勝利”」、そしてピッチニーニの「シャコンヌ」といったテオルボやアーチリュートの繊細な独奏は、まさにリュート奏者が規範とするべき演奏である。歌もまた良く、山田千代美は、感情表現とドラマチックな歌詞伝達とのバランスを見事に取りつつ、これら初期モノディーを軽く澄んだ声で歌っている。さらに特筆すべきは、佐藤豊彦のコンティヌオ演奏における正統的な和音選択である。ここでは従来のやり方とは違って、転回形はほとんどなく、主に基本位置の和音が使われている。これこそが、これら初期バロック時代の作曲家達の意図するところであったのだろう。今日一般に耳にする演奏では、これらの音楽にまで中期、さらには後期バロック時代のコンティヌオ奏法が適用され、第一・第二転回形、上げられた六度、属七の和音が、多用されている。演奏する者としてはこれを機に、どの時代の音楽にも平均的な「エスペラント」的コンティヌオ演奏を適用する今までの姿勢を考え直し、それぞれの音楽スタイルに合わせたコンティヌオ奏法を探ってゆくべきであろう。』

 


 「江戸時代「出島」で奏でられたオランダ音楽」 1999年9月録音

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【レーベル・型番】
Brain Music(アントレ) EBM-199503

【使用リュート】
セバスチャン・ヌニエス製作10コース・ルネサンス・リュート(グライフ・モデル)
リチャード・バーグ製作6コース・トレブル・ルネサンス・リュート
(ティーフェンブルッガー・モデル)
ニコ・ファン・デア・ヴァールス製作14コース・テオルボ(ティーフェンブルッガー・モデル)

【収録曲】
お喋り小燕 Garrula rondinella スヴェ-リンク
ファンタジア (器楽曲) Fantazia スヴェ-リンク
ティルジスとミラ Thyrsis and Milla モーリー (パーソナリティ)
ファンタジア (器楽曲)= Fantasia モーリー (パーソナリティ)
マルシムス (リュート・ソロ) Malsims ファレリウス
マルシムス (器楽曲) = Malsims ファーナビー
アマリリ麗し Amarilli mia bella カッチーニ
アマリリ麗し Amarilli mia bella ナウヴァハ
アマリリ麗し (リコーダー・ソロ) Amarilli mia bella ファン・エイク
麗しのアマリリ Amarillis, bel astre de mes jours ボエセ
いとおしのアマリリ Amaryl de deken sacht ホーフト
アマリリ、愛に死す Amarillis tear thy hair Rose, Cyrille
カリレーン (器楽曲) Carileen, ay wilt u niet verschuilen Rose, Cyrille
私は迷える羊 (賛美歌118〜9番) Erravi, domine Huygens, Christiaan
甘美なる死 Morte dolce Huygens, Christiaan
至福なる私の目撃者 Graves tesmoins Huygens, Christiaan
涙のパヴァーナ (リュート・ソロ) Lachrimae ダウランド
涙のパヴァーナ (リコーダー・ソロ) Pavaen lachrimae ファン・エイク
溢れよわが涙 (涙のパヴァーナ) Flow my tears ダウランド
涙のパヴァーナ (器楽曲) Lachrimae pavan ショップ
さあ、もう一度 (器楽曲) Comagain 作者不詳
さあ、もう一度 Come again ダウランド

【解説】
日本オランダ交流400年記念。ブックレットの解説文は佐藤豊彦氏の執筆によるものです。出島の音楽といっても、具体的資料は残っていませんので、1600年前後の蘭英周辺の名曲集といった趣です。

 


 「二人のオルフェウス Two Orphean masters」 1990年12月録音

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【レーベル・型番】
Brain Music BOCD-9108

【使用リュート】
リチャード・バーグ製作8コース・ルネサンス・リュート(ヴェネーレ・モデル)
ブライアン・コーエン製作アーチリュート(セラス・モデル)

【収録曲】
John Dowland
Now, o now, I needs must part : the frogg galliard 今こそ別れねば : 蛙のガリアルド
If my complaints could passions move 私がこぼしたことで気持が動くなら
Captain Digorie Pipers galliard パイパー船長のガリアルド
Flow my teares あふれよわが涙
Pavana lachrimae 涙のパヴァーヌ
Can she excuse my wrongs 私の受けた苦しみを言い逃れられますか?
The earl of Essex, his galliard エセックス候のガリアルド
Come heavy sleepe 来たれ、永遠の眠りよ
Lasso vita mia, mi fa morire 倦み疲れたわが命よ

Henry Purcell
An evening Hymn “Now that the sun hath veiled his light” 夕べの賛歌「今や太陽の光も薄れたので」
Chaconne シャコンヌ
The plaint “O let me weep” 歎きの歌「私を泣かせて」

【解説】
J.ダウランドとH.パーセルを「二人のオルフェウス」として取り上げた録音です。ブックレットの解説書の序文では、佐藤豊彦氏がアンサンブル結成の意図を記されています。曲目の解説は大竹尚之氏によるものです。