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2015年6月20日 リュートお稽古

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*練習方法*
曲の練習の最初は必ず、ゆっくりと半分くらいのテンポでやる。途中で速くなりがちなので1回目はメトロノームを使ってもよい。2回目はメトロノームなしでやる。その後に3回目4回目をやる必要な無い。2回で充分。頭で考えなくても指が勝手に動いてくれるよう憶えさせる。ゆっくり弾く時はとにかくリラックス、力を抜いて弾くこと。その後他の曲でも弾いた後に気分を変え、元の曲を通して(やり直しせず)インテンポで弾く。そうすると、どこが弾けるようになり、どこが弾けないままか分かる。インテンポでは絶対にメトロノームは使わない。また、インテンポで何度も練習しても何の意味もない。それならば、インテンポで簡単な曲をたくさん弾いたほうがよい。

・プレリュードは、いろいろつめ込まずあっさりと弾こう。プレリュードなんだから。
・ヴァイスはいろいろやり過ぎない方がよい。ヴァイスは歌手、さらっと綺麗に歌おう。
・メヌエットの装飾は、しっかりとリズムを刻んだものにする。メヌエットはリズムを崩すとダメ。
・メヌエットを軽快にしようと、スタッカートばかり使いすぎるのもどうか。1小節に1回くらいを目安に。
・サラバンドの最初の小節の2拍目に付点があるのは重く弾けということ。テンポも遅く。2回目は装飾しよう。
・低音が音階になっていて突然オクターブ飛んだりするが、これは楽器の性能のため。フレーズが切れたわけではないので続けよう。

【禅茶】
・袱紗扱いの差し込みは、右手をまっすぐ前に(左手と同じ高さに)出し、右手が伸びきったら肘を支点に曲げる。
・茶入のを拭く際は、二引きの段階から小指で茶入の底を支える。そのまま回し拭きへ。肩付は袱紗の上に肩が出るように。
・柄杓でお湯を汲んだ後は、弧を描かず茶碗まで最短距離で運ぶ。注ぐ時は思っているより下から。
・お茶を点てる際は最初にしっかり底を摺る。底の真ん中だけでなく、底の前後にもしっかり茶筅が付くように。
・最初にしっかり泡立てたら、後半は上空をゆっくり漕いで泡を細かくする。この時間をしっかり長く取って。
・摺足ではつま先を少し曲げ、つま先で畳を摺る。踵で摺ると後ろに傾いてしまう。

リュート製作家リチャード・バーグ氏について Luthier Richard Berg

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Anton Birula「S.L.Weiss J.S.Bach」Bookletより

リチャード・バーグ氏はカナダの首都オタワ在住のリュート製作家です。長年、カナダ連邦政府の公職を務める傍ら、リュート製作を続けてこられました。残念ながら2014年末現在、製作活動からはほぼ引退されています。専業製作家ではないため、年間製作台数は1台程度と、たいへん寡作ですが、高度な製作技術と楽器としての質の高さには定評があります。特に精緻な象牙細工は瞠目すべきものです。私(管理人)も二度ほどお会いしたことがあります。2mを超す巨人ですが、とても人懐っこい方で日本贔屓。日本で本格的な刺身包丁を買ったと嬉しそうに話されていました。

リチャード氏の楽器はカナダ歴史博物館にも13コース・バロック・リュートが所蔵されています。下記公式サイトに掲載されている写真は、嘆息するほかない美しさです。
http://www.historymuseum.ca/cmc/exhibitions/arts/opus/opus423e.shtml

日本では、佐藤豊彦氏のために製作された総象牙の14コース・バロック・リュートがよく知られており、『現代ギター』誌でも紹介され、録音、リサイタルでも度々使用されています。

私(管理人)の所有楽器の項もご参照ください。

 


リチャード・バーグ氏製作楽器使用録音

佐藤豊彦 「バッハ:3つのリュート組曲」
「ネーデルランドのリュート音楽」
「ロベール・ド・ヴィゼーの音楽」
「バッハ:シャコンヌ バロック・リュート・リサイタル」
「スカルラッティ&ザンボーニ作品集18世紀イタリアのリュート音楽」
「J.S.バッハ リュート組曲 BWV1001&1006a」
詳細
佐藤豊彦他 「2.4.3(Duet for Three)~3台のリュートによるデュエット」
「歩み~2台のバロックリュートによるドイツ音楽」
詳細
山田千代美&佐藤豊彦 「黒船の古歌 Kurofune-songs From The Black Ships」 詳細
アルバ・ムジカ・きょう 「シェークスピアの音楽」 詳細
諧謔音楽 「イタリアバロック「愛とドラマ」の音楽」
「江戸時代「出島」で奏でられたオランダ音楽」
「二人のオルフェウス Two Orphean masters」
詳細
櫻田亨 「やすらぎのガット 7つの響き~7つの総ガット弦リュートによる名曲集」 詳細
大島秀文 「バロックリュート・リサイタル Prelude of a Great spirit」
「バロックリュート・リサイタル BACH & WEISS」
「バロックリュート・リサイタル Prelude of a Great spirit」
詳細
Anton Birula 「S.L.Weiss J.S.Bach」 詳細
Luteduo 「Baroque Lute Duets」 詳細
Michiel Niessen 「Un’altra canzone」 詳細
Earl Christy 「Neue Lautenfruchte – Works For Baroque Lute」 詳細
Istvan Konya 「SLW: Lute Suites」
「Lute music from three centuries」
詳細
Timothy Burris 「Ciaccona」
「Bach Meets Weiss」
詳細
Michel Cardin 「Silvius Leopold Weiss:The London Manuscript Vol.4」
「Silvius Leopold Weiss:The London Manuscript Vol.5」
「Silvius Leopold Weiss:The London Manuscript Vol.6」
詳細
Sylvain Bergeron 「The Balcarres Lute Book」 詳細
Richard Stone 「Lute Works of Silvius Leopold Weiss」 詳細

 


David van Ooijen氏によるリチャード・バーグ氏の11コース・バロック・リュートを使用した演奏

 

山田千代美さんのコンサートについて

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※拡大画像掲載サイト http://www.circushakim.nl/mukashi-mukashi/

ソプラノ歌手山田千代美さんのコンサートが6/5~19の日程で、オランダの各地で開催されます。日本の昔話の語りと日本歌曲を組み合わせた内容のようです。ギター伴奏はリュート奏者としても有名なダーヴィッド・ヴァン・オーイエン氏。ダーヴィッド氏のサイトにもプロジェクトの解説が掲載されています。
※英語PDF  http://home.kpn.nl/ooije006/david/ensembles_p_bestanden/Mukashi%20English.pdf

“Mukashi Mukashi”
Christina Millet – vertelster
Chiyomi Yamada – sopraan
David van Ooijen – gitaar

Vrijdag 5 Juni 2015, 20:00
Nasrudin Verteltheater, Deventer

Zondag 7 Juni 2015, 15:00
De Vertelschuur, Bloemendaal

Zondag 14 Juni 2015, 14:00
De Vertelvloer, Cartesiusstraat 137g, Den Haag

Vrijdag 19 Juni 2015, 20:00
Het Circus van Hakim, Haarlem

 

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「黒船の古歌」Bookletより 佐藤美紀さん撮影(有明海)

2015年春のLGSリュート・コンソートに参加して

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熊本の佐藤豊彦氏宅「リュートの家」で開催された2015年春のLGSリュート・コンソートに参加してきました。指導はLGS事務局長の櫻田亨さんです。リュート属を主体としたアンサンブルですが、集まってみるとたいへん多彩な顔ぶれとなりました。

・歌
・リコーダー
・トレブル・リュート
・ルネサンス・リュート×3
・アーチリュート
・バス・リュート
・バロック・ギター
・バス・ヴィオール×2

●Fortune my foe
1曲目は「運命よわが敵」私は6コース・リュートでまずは歌の伴奏です。たぶん歌の伴奏は生まれて初めてでしたが、とても得難い経験でした。歌は広島の渡部光子さん。佐藤豊彦氏も認める素晴らしい歌手の方で、「ああ、歌って凄い!こういう風に音楽しなきゃ!」と感激しました。リュート・ソングの次にはリュート属のみのコンソートです。こちらは櫻田さんが事前に4パートに分けてタブラチュアに易しく編曲されているもの。これなら初心者でもOK。(いきなりコンティヌオだと敷居が高いですからね。)そして最後は歌、リコーダー、リュート属、ギター、ガンバのトゥッティです。リコーダーはリュートからの持ち替え。合奏中の早業ですね。私はトゥッティではダウランド編曲のものを弾いたので結構たいへんでした。合奏だとテンポを好きにできない上に音量も必要なので普段の自宅練習とは勝手が違って戸惑いました。櫻田さんからは「もっと目立って!主張しよう!」うーん、次は頑張ります。

●Now o now I needs must part & The Frog Galliard
ここからはトレブル・リュートをお借りして(急遽持ち替えを指示されて?)主旋律をフィゲタで単音弾きすることになりました。「今こそ別れの時」は最初からトゥッティ。渡部さんの歌と同じ動きなので、なるべくその呼吸を感じるよう心がけて弾きました。「リュートで歌う」勉強になったと思います。「蛙のガリアード」ではリュート属のみのコンソートの後、リコーダーソロを主役としたトゥッティ。バロック・ギターのラスゲアードがリズムを刻んで心地良いものです。リコーダーは繰り返し後は変奏。私もトレブルなので櫻田さんに「彼はリコーダーに対抗してバラバラバラバラっと凄いフレーズで即興で変奏してくれるだろう。」と適当に煽られましたが何もできず…。タブラチュアをなぞるだけの毎日ではいかんですな。

●O Mistress mine
「私のお姐さん」は、シェイクスピア劇『十二夜』に登場する曲で、その雰囲気を感ずるべく、急遽、聴講者の方々が駆りだされ演出を添えることになりました。はじめにリュート属のみのコンソートで、その最中にナレーションが入ります。曲の後にはセリフのやり取りがあり、「恋の歌を!」の後、渡部さんの歌と櫻田さんのリュートです。これがまた素晴らしい。アンコールを求めるセリフの後はトゥッティ。なんのかんのと、みんな楽しくやりました。

●Farewell dear love
同じく『十二夜』より「さらば、いとしのひと」ここではリュート属のみのコンソートの最中に、歌詞の日本語訳の朗読が入りました。(もちろん急遽指示されたもの)歌詞の内容が頭に入ったところで、歌も含めたトゥッティ。ここでも私はトレブルで歌と同じメロディを弾き、歌い方を学ばせてもらいました。歌に合わせて体を動かすのも大事かも!?

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上記のような合奏の様子を櫻田さんがVTR撮影されていましたが表に出るかは不明。(できればやり直したいが…。)もう、とにかくアンサンブルの愉しみを味わえるし、いろんなことが学べるし、ついでにプロのリュート・ソングを聴いて感動し、自分でも伴奏できるし、最高の1日でした。事前の編曲、準備、当日の愉快なご指導をされた櫻田亨さんには感謝です。もちろん、午前中は個人レッスンを行い、昼からのリュート・コンソートにも精力的にアドヴァイスを下さり、私にトレブル・リュートを貸してくださった佐藤豊彦先生にも。(リチャード・バーグ製作ダブルフレット仕様の総ガット弦。裏板は象牙。ひんやり冷たくて気持ち良かった…。)リュート・コンソートは今回は1回目でしたが、今後も継続し、最終的には大分の有名温泉地で合宿とちょっとした発表を行うのが目標なのだとか。いやー楽しみです。
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