熊本の佐藤豊彦氏宅「リュートの家」で開催された2015年春のLGSリュート・コンソートに参加してきました。指導はLGS事務局長の櫻田亨さんです。リュート属を主体としたアンサンブルですが、集まってみるとたいへん多彩な顔ぶれとなりました。
・歌
・リコーダー
・トレブル・リュート
・ルネサンス・リュート×3
・アーチリュート
・バス・リュート
・バロック・ギター
・バス・ヴィオール×2
●Fortune my foe
1曲目は「運命よわが敵」私は6コース・リュートでまずは歌の伴奏です。たぶん歌の伴奏は生まれて初めてでしたが、とても得難い経験でした。歌は広島の渡部光子さん。佐藤豊彦氏も認める素晴らしい歌手の方で、「ああ、歌って凄い!こういう風に音楽しなきゃ!」と感激しました。リュート・ソングの次にはリュート属のみのコンソートです。こちらは櫻田さんが事前に4パートに分けてタブラチュアに易しく編曲されているもの。これなら初心者でもOK。(いきなりコンティヌオだと敷居が高いですからね。)そして最後は歌、リコーダー、リュート属、ギター、ガンバのトゥッティです。リコーダーはリュートからの持ち替え。合奏中の早業ですね。私はトゥッティではダウランド編曲のものを弾いたので結構たいへんでした。合奏だとテンポを好きにできない上に音量も必要なので普段の自宅練習とは勝手が違って戸惑いました。櫻田さんからは「もっと目立って!主張しよう!」うーん、次は頑張ります。
●Now o now I needs must part & The Frog Galliard
ここからはトレブル・リュートをお借りして(急遽持ち替えを指示されて?)主旋律をフィゲタで単音弾きすることになりました。「今こそ別れの時」は最初からトゥッティ。渡部さんの歌と同じ動きなので、なるべくその呼吸を感じるよう心がけて弾きました。「リュートで歌う」勉強になったと思います。「蛙のガリアード」ではリュート属のみのコンソートの後、リコーダーソロを主役としたトゥッティ。バロック・ギターのラスゲアードがリズムを刻んで心地良いものです。リコーダーは繰り返し後は変奏。私もトレブルなので櫻田さんに「彼はリコーダーに対抗してバラバラバラバラっと凄いフレーズで即興で変奏してくれるだろう。」と適当に煽られましたが何もできず…。タブラチュアをなぞるだけの毎日ではいかんですな。
●O Mistress mine
「私のお姐さん」は、シェイクスピア劇『十二夜』に登場する曲で、その雰囲気を感ずるべく、急遽、聴講者の方々が駆りだされ演出を添えることになりました。はじめにリュート属のみのコンソートで、その最中にナレーションが入ります。曲の後にはセリフのやり取りがあり、「恋の歌を!」の後、渡部さんの歌と櫻田さんのリュートです。これがまた素晴らしい。アンコールを求めるセリフの後はトゥッティ。なんのかんのと、みんな楽しくやりました。
●Farewell dear love
同じく『十二夜』より「さらば、いとしのひと」ここではリュート属のみのコンソートの最中に、歌詞の日本語訳の朗読が入りました。(もちろん急遽指示されたもの)歌詞の内容が頭に入ったところで、歌も含めたトゥッティ。ここでも私はトレブルで歌と同じメロディを弾き、歌い方を学ばせてもらいました。歌に合わせて体を動かすのも大事かも!?
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上記のような合奏の様子を櫻田さんがVTR撮影されていましたが表に出るかは不明。(できればやり直したいが…。)もう、とにかくアンサンブルの愉しみを味わえるし、いろんなことが学べるし、ついでにプロのリュート・ソングを聴いて感動し、自分でも伴奏できるし、最高の1日でした。事前の編曲、準備、当日の愉快なご指導をされた櫻田亨さんには感謝です。もちろん、午前中は個人レッスンを行い、昼からのリュート・コンソートにも精力的にアドヴァイスを下さり、私にトレブル・リュートを貸してくださった佐藤豊彦先生にも。(リチャード・バーグ製作ダブルフレット仕様の総ガット弦。裏板は象牙。ひんやり冷たくて気持ち良かった…。)リュート・コンソートは今回は1回目でしたが、今後も継続し、最終的には大分の有名温泉地で合宿とちょっとした発表を行うのが目標なのだとか。いやー楽しみです。