リュートの歴史的絵画をご紹介します。なるべく自分の演奏に役に立つように、分かりやすい構図の絵画を採り上げました。後期ルネサンスと初期バロックの違いは、かなり判断が難しかったため、区分けに誤りがあるかもしれません。ご指摘頂ければ幸いです。
たくさん調べる過程で以下のような感想を持ちました。
●後期のルネサンス・リュート(7~10コース)を弾いている絵画では、ほとんど親指外側奏法で、右手の位置もかなりブリッジ寄りが多い。
●バスライダーのバロック・リュートを弾いている絵画は全然見かけない。ダブルヘッド(ダッチヘッド)は意外にとても多い。(画家が同じ楽器をいろいろなモデルに持たせている場合も多いですが。)
ルネサンス・リュート① | 右手小指はロゼッタ付近 |
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ルネサンス・リュート② | 右手小指はロゼッタとブリッジの中間 |
ルネサン・スリュート③ | 右手小指はブリッジ手前 |
バロック・リュート① | 右手小指はロゼッタとブリッジの中間 |
バロック・リュート② | 右手小指はブリッジ手前 |
バロック・リュート③ | 右手小指はブリッジ真上かブリッジ後ろ |
※2015年1月6日追記
裏板にShaded Yew(縞々イチイ)を使用したリュートは、たいへん好きなデザインです。心材と辺材の境目が綺麗なコントラストを持っており、その部位を切り取って用います。歴史的絵画には縞々を均等に配置したものと、色の濃い心材を広めに取ったものの二種類が描かれていますので、それぞれご紹介します。
たくさん調べる過程で以下のような感想を持ちました。
●一人の画家の静物画に描かれる楽器は全て同じもの。
●イチイの楽器が描かれている絵画はオランダのものが非常に多い。
Shaded Yew(縞々イチイ)① | 心材と辺材が均等 |
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Shaded Yew(縞々イチイ)② | 心材と辺材が不均等 |