古楽

リュート製作家リチャード・バーグ氏について Luthier Richard Berg

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Anton Birula「S.L.Weiss J.S.Bach」Bookletより

リチャード・バーグ氏はカナダの首都オタワ在住のリュート製作家です。長年、カナダ連邦政府の公職を務める傍ら、リュート製作を続けてこられました。残念ながら2014年末現在、製作活動からはほぼ引退されています。専業製作家ではないため、年間製作台数は1台程度と、たいへん寡作ですが、高度な製作技術と楽器としての質の高さには定評があります。特に精緻な象牙細工は瞠目すべきものです。私(管理人)も二度ほどお会いしたことがあります。2mを超す巨人ですが、とても人懐っこい方で日本贔屓。日本で本格的な刺身包丁を買ったと嬉しそうに話されていました。

リチャード氏の楽器はカナダ歴史博物館にも13コース・バロック・リュートが所蔵されています。下記公式サイトに掲載されている写真は、嘆息するほかない美しさです。
http://www.historymuseum.ca/cmc/exhibitions/arts/opus/opus423e.shtml

日本では、佐藤豊彦氏のために製作された総象牙の14コース・バロック・リュートがよく知られており、『現代ギター』誌でも紹介され、録音、リサイタルでも度々使用されています。

私(管理人)の所有楽器の項もご参照ください。

 


リチャード・バーグ氏製作楽器使用録音

佐藤豊彦 「バッハ:3つのリュート組曲」
「ネーデルランドのリュート音楽」
「ロベール・ド・ヴィゼーの音楽」
「バッハ:シャコンヌ バロック・リュート・リサイタル」
「スカルラッティ&ザンボーニ作品集18世紀イタリアのリュート音楽」
「J.S.バッハ リュート組曲 BWV1001&1006a」
詳細
佐藤豊彦他 「2.4.3(Duet for Three)~3台のリュートによるデュエット」
「歩み~2台のバロックリュートによるドイツ音楽」
詳細
山田千代美&佐藤豊彦 「黒船の古歌 Kurofune-songs From The Black Ships」 詳細
アルバ・ムジカ・きょう 「シェークスピアの音楽」 詳細
諧謔音楽 「イタリアバロック「愛とドラマ」の音楽」
「江戸時代「出島」で奏でられたオランダ音楽」
「二人のオルフェウス Two Orphean masters」
詳細
櫻田亨 「やすらぎのガット 7つの響き~7つの総ガット弦リュートによる名曲集」 詳細
大島秀文 「バロックリュート・リサイタル Prelude of a Great spirit」
「バロックリュート・リサイタル BACH & WEISS」
「バロックリュート・リサイタル Prelude of a Great spirit」
詳細
Anton Birula 「S.L.Weiss J.S.Bach」 詳細
Luteduo 「Baroque Lute Duets」 詳細
Michiel Niessen 「Un’altra canzone」 詳細
Earl Christy 「Neue Lautenfruchte – Works For Baroque Lute」 詳細
Istvan Konya 「SLW: Lute Suites」
「Lute music from three centuries」
詳細
Timothy Burris 「Ciaccona」
「Bach Meets Weiss」
詳細
Michel Cardin 「Silvius Leopold Weiss:The London Manuscript Vol.4」
「Silvius Leopold Weiss:The London Manuscript Vol.5」
「Silvius Leopold Weiss:The London Manuscript Vol.6」
詳細
Sylvain Bergeron 「The Balcarres Lute Book」 詳細
Richard Stone 「Lute Works of Silvius Leopold Weiss」 詳細

 


David van Ooijen氏によるリチャード・バーグ氏の11コース・バロック・リュートを使用した演奏

 

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リュートの描かれた絵画 Lute paintings index

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リュートの歴史的絵画をご紹介します。なるべく自分の演奏に役に立つように、分かりやすい構図の絵画を採り上げました。後期ルネサンスと初期バロックの違いは、かなり判断が難しかったため、区分けに誤りがあるかもしれません。ご指摘頂ければ幸いです。
たくさん調べる過程で以下のような感想を持ちました。
●後期のルネサンス・リュート(7~10コース)を弾いている絵画では、ほとんど親指外側奏法で、右手の位置もかなりブリッジ寄りが多い。
●バスライダーのバロック・リュートを弾いている絵画は全然見かけない。ダブルヘッド(ダッチヘッド)は意外にとても多い。(画家が同じ楽器をいろいろなモデルに持たせている場合も多いですが。)

ルネサンス・リュート① 右手小指はロゼッタ付近
ルネサンス・リュート② 右手小指はロゼッタとブリッジの中間
ルネサン・スリュート③ 右手小指はブリッジ手前
バロック・リュート① 右手小指はロゼッタとブリッジの中間
バロック・リュート② 右手小指はブリッジ手前
バロック・リュート③ 右手小指はブリッジ真上かブリッジ後ろ

 

※2015年1月6日追記
裏板にShaded Yew(縞々イチイ)を使用したリュートは、たいへん好きなデザインです。心材と辺材の境目が綺麗なコントラストを持っており、その部位を切り取って用います。歴史的絵画には縞々を均等に配置したものと、色の濃い心材を広めに取ったものの二種類が描かれていますので、それぞれご紹介します。
たくさん調べる過程で以下のような感想を持ちました。
●一人の画家の静物画に描かれる楽器は全て同じもの。
●イチイの楽器が描かれている絵画はオランダのものが非常に多い。

Shaded Yew(縞々イチイ)① 心材と辺材が均等
Shaded Yew(縞々イチイ)② 心材と辺材が不均等

リュートの描かれた絵画 Shaded Yew(縞々イチイ)心材と辺材が均等

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【製作者】Evaristo Baschenis (December 7, 1617 – March 16, 1677)
【制作年代】1660-1670

 

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【製作者】Thomas de Keyser (Dutch, 1596/97–1667)
【制作年代】1629

 

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【製作者】Dirck van Baburen (Utrecht?c.1594-Utrecht1624)
【制作年代】1623

 

Gerrit_van_Honthorst_-_Het_Concert

【製作者】Gerard van Honthorst (1590–1656)
【制作年代】1624

 

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【製作者】Jan ver Meulen (fl. 1638–1674)
【制作年代】17th century

 

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【製作者】Nicolas Régnier (1591–1667)
【制作年代】1640

リュートの描かれた絵画 Shaded Yew(縞々イチイ)心材と辺材が不均等

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【製作者】Gerard Dou(1613-1675)
【制作年代】c1635

 

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【製作者】Bartolomeo Bettera (1639-1688)
【制作年代】17th century

 

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【製作者】Jan Miense Molenaer (1609/1610–1668)
【制作年代】c.1650

 

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【製作者】Harmen Steenwyck (c.1612 – after 1656)
【制作年代】1640

 

Circle_of_Frans_Hals_-_The_Lute_Player

【製作者】Frans Hals (c.1580-1666)
【制作年代】c.1630

 

Jan_van_Bijlert_-_Young_Man_Playing_the_Lute_-_WGA02186

【製作者】Jan van Bijlert (c.1597/1598–1671)
【制作年代】c.1625

イストヴァン・コーニャ Istvan Konya 『リュートの歴史』『ルネサンスリュート教則本』

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佐藤豊彦氏の高弟であり、ハンガリーのリュート奏者イストヴァン氏が、 『リュートの歴史』と『ルネサンスリュート教則本』を出版されました。

公式サイト
http://www.lant.hu/

いずれも表紙は彼の所有するニコーのルネサンス・リュートでしょうか。サイトを覗くと、カラー図版の多い素敵なサンプルを見ることができます。裏表紙には”Toyohiko Satoh”の名もあり、おそらく推薦文か何かでしょう。ハンガリー語なので全く解りません。

イストヴァン氏の録音は当サイトでも紹介しています。
佐藤豊彦氏お弟子さんのCD イストヴァン・コーニャ Istvan Konya