Day: 2014年11月12日

2014 秋のLGSリュートセミナーに参加して

2014 秋のLGSリュートセミナーに参加してきました。ヴァイスで受講しましたが、勉強になるうえ、いろいろな方と懇親でき、楽しい時を過ごしてきました。とりあえず学んだこと箇条書き。

・強弱はpowerではなく、長短で表現する。
・速いパッセージは小さく、ゆっくりした箇所はしっかりと歌う。
・パッサカリアはテンポを一定に。(僅かな揺れはOK)
・顎を引いた姿勢を心がけよう。
・右手の位置は、もう少しブリッジ寄りに。
・スラーの箇所で焦らない。
・装飾は「そのポジションの形」で行う。無理はしない。


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上記セミナーを素晴らしい歌声と伴奏で受講された、渡部光子さん(ソプラノ)、秋山幸生さん(リュート)のコンサートが下記のように開催されます。秋山さんの使用楽器はマルティン・デ・ヴィッテの8コース・ルネサンス・リュートに総ガット弦!です。

◎2014年11月15日(土) 開演 19時30分
場所:東福山福音ルーテル教会  福山市幕山台8−13−10
全席自由:前売2500円 当日3000円

◎2014年11月16日(日) 開演 14時
場所:ギャラリーカフェ「風の時計」 福山市箕島町6585
12名限定 4000円 (ワンドリン付き)

渡部光子さんのブログ
http://ameblo.jp/koewatakaramono/

秋山幸生さんのブログ
http://lutebaroqueguitar.blog.fc2.com/

佐藤豊彦氏お弟子さんのCD アンナ・コワルスカ Anna Kowalska

アンナ・コワルスカ Anna Kowalska 公式サイト


Anna Kowalska「la brebis galante ~ French baroque lute」

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【レーベル・型番】
anselmuse 2012rg250312

【使用楽器】
Philippe Mottet-Rio(Anselmus)製作バロック・リュート(おそらく総ガット弦)

【収録曲】

Jacques Gallot , Chaels mouteon , Robert de Visee , Antoine Forquray , Marin Mares

【解説】
スイスの製作家集団アンセルムスの販促CDであり、アンナ氏のソロ・デビュー盤。フォルクレとマレの作品はアンナ氏による編曲です。アンナ氏は夫婦で「Luteduo」として活発に活動されており、CDも多く、youtubeにも公式チャンネルがあります。このCDも「Luteduo」公式サイトで紹介され、試聴もできます。現在、アンナ氏は全ての音楽活動を総ガット弦で行われていますが、この録音には特に使用弦についての記載はありません。
2008年の東京でのソロ・リサイタルの際に、佐藤豊彦氏がアンナ氏を紹介した一文がありますので、掲載いたします。『若くて美しいロシアのリュート奏者アンナ・コワルスカは、オランダのハーグ音楽院における小生の最後の弟子です。実は彼女が卒業する前に小生がその職を退官してしまったのですが、現在に至るまで個人レッスンを通して、師弟関係が繋がっています。彼女はハーグ音楽院における最後の弟子というだけでなく、おそらく最高の才能を備えた人でもあります。それも特にバロックリュートにおいてバッハを演奏する時、顕著に表れるようです。これほどまでに簡単そうに、それでいて音楽的に、バッハを演奏できるリュート奏者は非常に稀です。』

佐藤豊彦氏お弟子さんのCD アントン・ビルラ Anton Birula

アントン・ビルラ Anton Birula 公式サイト


Anton Birula「S.L.Weiss J.S.Bach」

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【レーベル・型番】
Luteduo

【使用楽器】
リチャード・バーグ2010年製作13コース・バロック・リュート

【収録曲】

SILVIUS LEOPOLD WEISS

Sonate N23 in f#-minor
1. Prelude
2 .Allemande
3. Courante
4. Bouree
5. Sarabande
6. Menuet
7. Presto

JOHANN SEBASTIAN BACH

Suite BWV 1012 in D
8. Prelude
9. Allemande
10. Courante
11. Sarabande
12. Gavottes I&II
13. Gigue

【解説】
アントン氏は夫婦で「Luteduo」として活発に活動されており、CDも多く、youtubeにも公式チャンネルがあります。このCDも「Luteduo」公式サイトで紹介され、試聴もできます。また、Youtubeにはプロモーション映像も公開されています。現在、アントン氏はガット弦と合成樹脂の弦を併用して活動していらっしゃるようですが、この録音では、合成樹脂の弦(+金属巻弦)を使用されているようです。

佐藤豊彦氏お弟子さんのCD リュート・デュオ Luteduo (Anton Birula + Anna Kowalska)

リュート・デュオ Luteduo (Anton Birula + Anna Kowalska) 公式サイト


Luteduo「BAROQUE INSIGHT」2011年録音

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【レーベル・型番】
Luteduo

【使用楽器】
Philippe Mottet-Rio(Anselmus)2001年製作バロック・ギター
クラウス・ヤコブセン2001年製作テオルボ
マルティン・デ・ヴィッテ2008年制作テオルボ

【収録曲】
Girolamo Kapsberger (1580-1651)
1 Kapsberger
2 Canario

Alessandro Piccinini (1566-1639)
3 Chiaconna in Partite Variate

Santiago de Murcia (1682-1740)
4 Marionas
5 Folias Galegas

Gaspar Sanz (1640-1710)
6 Rujero & Paradetas
7 Tarantellas
8 Canarios

Francesco Corbetta (1615 – 1681)
9 Caprice de Chaconne

Robert de Visee (1650 – 1725)
Pieces in d:
10 Prelude
11 Allemande
12 Courante
13 Sarabande
14 Gigue
15 Chaconne in G

Antoine Forqueray (1672 – 1745)
16 La Regente
17 La Tronchin
18 La Angrave
19 La Morangis ou la Plissay

【解説】
アントン氏とアンナ氏は夫婦で「Luteduo」として活発に活動されており、CDも多く、youtubeにも公式チャンネルがあります。現在、アントン氏はガット弦と合成樹脂の弦を併用、アンナ氏は総ガット弦で活動していらっしゃるようですが、このCDの解説書の写真では、いずれも合成樹脂の弦(+金属巻弦)を張っているようです。解説書の文章は同じく佐藤豊彦氏のお弟子さんであるアール・クリスティ氏(英語)です。
下記にも同タイトルのCDがありますが、そちらはおそらく廃盤になったのでしょう。曲を半分ほど重複させて再録音しているようです。

 


Luteduo「BAROQUE INSIGHT」2003年録音

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【レーベル・型番】
Luteduo

【使用楽器】
Milhail Fdchenko 2002年製作バロック・ギター
クラウス・ヤコブセン2001年製作テオルボ

【収録曲】
Alessandro Piccinini (1566-1639)
1 Chiaconna in Partite Variate
2 Toccata Chromatica(theorbo solo)

Girolamo Kapsberger (1580-1651)
3 Toccata “Arpeggiata”(theorbo solo)
4 Kapsberger

Santiago de Murcia (1682-1740)
5 Folias Galegas

Gaspar Sanz (1640-1710)
6 Rujero & Paradetas
7 Passacalles(baroque guitar solo)
8 Tarantellas(baroque guitar solo)
9 Canarios

Francesco Corbetta (1615 – 1681)
9 Caprice de Chaconne

Robert de Visee (1650 – 1725)
10 Chaconne in G
Pieces in d:
11 Prelude
12 Allemande
13 Courante
14 Sarabande
15 Gigue

F.Couperin(1668-1733)
16 Les Baeeicades Misteriouses

Antoine Forqueray (1672 – 1745)
17 Chaconne”La Buisson”

【解説】
アントン氏とアンナ氏は夫婦で「Luteduo」として活発に活動されており、CDも多く、youtubeにも公式チャンネルがあります。現在、アントン氏はガット弦と合成樹脂の弦を併用、アンナ氏は総ガット弦で活動していらっしゃるようですが、このCDでは特に使用弦についての言及はありません。
上記にも同タイトルのCDがありますので、こちらはおそらく廃盤になったのでしょう。曲を半分ほど重複させて再録音しているようです。
LGS会報に掲載されたCD評をご紹介します。『アレッサンドロ・ピッチニーニ、ジロラモ・カプスペルガー、サンティアゴ・デ・ムルシア、ガスパル・サンス、ロベール・ド・ヴィゼー、フランソワ・クープラン、アントワン・フォルクレらの作品が演奏されている。独奏曲数曲を除き、全てバロックギターとテオルボの為に編曲されている。テオルボの低音域がギターの高音域や和音の掻き鳴らしとあいまって、これら二つの楽器は、撥弦楽器のオーケストラとも言うべき豊かで変化に富む響きをかもし出している。編曲の中では、ロベール・ド・ヴィゼーの作品のものが、特に優れている。その他の編曲には、時に、現代のポップやフォークソングにでも出てきそうなメロディーや和声が現われ、原曲からひどくかけ離れたものもある。その理由を彼らは解説書の中で、「それぞれの音楽が持つ、自然な雰囲気を再現したかった。」と説明しているが、皆さんはどう感じられるだろうか。詳細や注文は、彼らのホームページまで。何曲かは、試聴も出来る。』

 


Luteduo「Baroque Lute Duets」2002年録音

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【レーベル・型番】
Luteduo

【使用楽器】
リチャード・バーグ2001年制作のバロック・リュート(ブルクホルツァー・モデル)
マルティン・デ・ヴィッテ1999年制作のバロック・リュート(ブルクホルツァー・モデル)

【収録曲】
Ennemond Gaultier (1575 – 1651)
Canaries

William Lawes (1602 – 1645)
DUET B – dur
Alman for 2 Lutes | Corant I for 2 Lutes | Corant II for 2 Lutes

Francois du Fault (?-?)
DUET c-moll
Allemande | Courante | Sarabande | Gigue

Adam Falckenhagen (1697-1761)
DUET F-dur
Largo | Allegro | Tempo guisto

Joachim Bernhard Hagen (1720-1787)
Duet c- moll
Allegro | Amoroso | Presto

Marin Marais (1656-1728)
Allemande & Gavotte d – moll | Chaconne G-dur

【解説】
アントン氏とアンナ氏は夫婦で「Luteduo」として活発に活動されており、CDも多く、youtubeにも公式チャンネルがあります。現在、アントン氏はガット弦と合成樹脂の弦を併用、アンナ氏は総ガット弦で活動していらっしゃるようですが、このCDでは特に使用弦についての言及はありません。
LGS会報に掲載されたCD評をご紹介します。『ロシアの会員でデュエット奏者でもあるアンナ・コワルスカとアントン・ビルラが二枚のCD を出した。バロックリュート、バロックギター、テオルボの為の作品で、彼ら自身による新たな編曲も含まれている。「バロックリュート・デュエット」には、エネモン・ゴルティエ、デュフォー、ウィリアム・ローズ、マラン・マレ、アダム・ファルケンハーゲン、ヨアヒム・ベルンハルト・ハーゲンの作品が収められ、アンナもアントンも確かな技巧で息のあった演奏を披露している。解釈は重くならず、活気がある。ヴィオラ・ダ・ガンバの作曲者マラン・マレの作品の編曲は趣味よく仕上げられており、数少ないバロックリュートのデュエットのレパートリーにとって、非常に有難いことである。』

佐藤豊彦氏お弟子さんのCD ダーヴィッド・ヴァン・オーイエン David van Ooijen

ダーヴィッド・ヴァン・オーイエン David van Ooijen 公式サイト


山田千代美 & David van Ooijen「東雲のうた Dawn to the West」2001年録音

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【レーベル・型番】
Nostalgia Nostalgia-0201

【使用楽器】
1829年パノルモ製作オリジナル・ギター(ナイルガット弦)(佐藤豊彦氏所蔵)

【収録曲】

1.蕗の曲 Fuki no Kyoku
2.さくら Sakura
3.黒田節 Kurodabushi
4.来るか来るか Kuruka Kuruka
5.沖の鴎に Oki no Kamome ni
6.箱根八里 Hakone Hachiri
7.中国地方の子守唄 Ch?goku-Chih? no Komori-Uta
8.五木の子守唄 Itsuki no Komori-Uta
9.荒城の月 K?j? no Tsuki
10.待ちぼうけ Machib?ke
11.からたちの花 Karatachi no Hana
12.ペチカ Pechika
13.曼珠沙華 Higambana
14.かやの木山 の Kayanokiyama no
15.赤とんぼ Akatombo
16.信田の藪 Shinoda no Yabu
17.河原菜種 Kawara Natane
18.叱られて Shikararete
19.花嫁人形 Hanayome Ningy?
20.ちんちん千鳥 Chin Chin Chidori
21.浜辺の歌 Hamabe no Uta
22.あの子この子 Ano ko Kono ko
23.平城山 Narayama
24.お六娘 Oroku Musume

【解説】
記念すべき「のすたるじあ」レーベルの第一弾です。ダーヴィッド氏は現在、全ての音楽活動を総ガット弦で行われていますが、この録音ではまだ、ナイルガットを使われています。この録音についての詳細と同時出版されている楽譜の内容が(英語)がダーヴィッド氏の公式サイトの該当ページに掲載されています。
ダーヴィッド氏には、まだソロの録音はありませんが、アンサンブルの録音は多くあり、ソロ・トラックを含むものも多くあります。公式サイトのCDの項にまとめられています。また、youtubeでの活躍は特筆すべきものです。
LGS会報に掲載された佐藤豊彦氏による推薦文がありますので、ご紹介します。『山田千代美(ソプラノ) とダーヴィット・ヴァン・オーイエン(ギター) による、日本歌曲のCDを紹介します。山田が選曲したこれら24曲の歌は、昔からの伝統作品数曲を除き、大半が20 世紀初めに作曲された作品です。ご存知の通り、開国後から20 世紀初頭にかけては、西洋の文物が一気に押し寄せた時代であり、音楽では、特にドイツロマン派の影響が、色濃く見受けられます。このCDには、「さくら」「赤とんぼ」「荒城の月」など、お馴染みの曲も数多く入っていますが、今回の録音に際し、伴奏譜は、ピアノ伴奏から、ギター伴奏用に書き変えられました。伝統作品については、佐藤豊彦と、三味線奏者でもあるダーヴィット・ヴァン・オーイエンが、新しい伴奏を付けました。これらの作品が、歌詞の面でも音楽の面でも、非常に繊細なニュアンスに富んでいる事や、山田の純粋で軽快な声の特徴を考慮して、伴奏楽器としては、同じく軽妙で繊細な響きを持つ、オリジナルのパノルモギター(1829年作、佐藤豊彦所蔵) が、選ばれました。東洋と西洋の、音楽と音楽家の出会いが、ここに、「東雲の歌」’Dawn to the West ’として、結晶したのです。歌詞や曲の持つ雰囲気を大切に、美しく愛情深く演奏されており、西洋の古楽を演奏するに通じる、正統的な演奏姿勢で歌われたこれら日本歌曲は、聴く人の耳にまた新鮮に響く事と思います。解説書には、全ての歌詞が、日本語と英語で掲載されています。』

 


Michiel Niessen & David van Ooijen「Un’altra canzone」2004年録音

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【レーベル・型番】
Turtle Records TRSA0028 SACD

【使用楽器】
Michiel Niessen
– 10-course in g by Richard Berg, Ottawa, 1983
– 8-course in a by Stephen Barber, London, 1986
– 8-course in d by Stephen Barber, London, 1986

David van Ooijen
– 8-course in g by Nico van der Waals, Oud-Karspel, 1986
– 6-course in a by Stephen Barber, London, 1998
– 10-course in d by Stephen Barber, London, 1998

【収録曲】

01) Canzon Francese Allermifault, di Adriano,Per suonar a due Liutti.
02) Liquide Perle di Luca Marenzio a 5.Contraponto sopra l’isteso madrigale
03) A duoi liutti vnisoni, un’altra Canzone del medesimo a 4.[Claudio da Correggio]
04) Vestiva i colli. prima parte. a 5.Del Palestina per suonar a duoi liutti, & solo
05) Cosi le chiome mie.Seconda parte a duoi liutti
06) S’ogni mio ben a 6, Del Striggio per suonar solo& a duoi liutti & in concerto.
07) S’ogni mio ben, Vn’altra contraponto sopra l’istesso a l’unisono
08) Susanne un Iour. Canzon Francese a 5.Di Orlando Lasso. a la quarta per suonar solo & a duoi liutti
09) Anchor ch’io possa dire a 6.Del Striggio per suonar solo & a duoi liutti
10) Petit Iaquet. Canzon Francese a 4.Di Claudio da Correggio per suonar solo, & a duoi liutti
11) A duoi Liutti vnisoni, Canzon di Claudio da Correggio a 4
12) Non mi toglia il be mio di Marc’ Antonio Ingigneri a 4

【解説】
ダーヴィッド氏とミヒル氏のデュオのCDです。お二人とも佐藤豊彦氏のお弟子さんで、ミヒル氏は佐藤豊彦氏と共演したCDもあります。ダーヴィッド氏は全ての音楽活動を総ガット弦で行われています。逆にミヒル氏は主に合成繊維の弦を使用されています。このCDでも、両者そのようなセッティングとのことです。
また、佐藤豊彦氏によるCD評もありますので、ご紹介します。『ダーヴィッド・ヴァン・オーイェンとミヒル・ニーセンの演奏による二重奏のCDである。これはスーパーソニックの超絶技巧を聴かせるCDでもある。ジョヴァンニ・アントニオ・テルツィが1593 年と1599 年にヴェネツィアで出版した曲集から、ディミヌーション(テルツィは「パッサッジ」と呼んでいる)付の二重奏曲が選ばれた。これらの曲は非常に高度なテクニックを要求されるので、今までほとんど録音されていない。分かりやすく言うと、多声からなる声楽曲のインタブレーション・パートを一人が受け持ち、もう一人はその周りを上下左右といった感じで装飾して走り回る(テルツィの言う「パッサッジ」する)作品である。かつてハーグ王立音楽院の優等生であった、主に「パッサッジ」パートを受け持っている、ミヒル・ニーセンの演奏はただ単に目が眩むほど速いだけでなく、音楽的にも楽しませてくれる。その情熱的な、やや激しいタイミングの演奏にダーヴィッド・ヴァン・オーイェンの落ち着いた共演がマッチしているのは興味深い。トラック7と9はダーヴィッド・ヴァン・オーイェンが「パッサッジ」を弾いていて、よく聴くとガット弦の暖かさがあるのが分かる。特にトラック9はすべての曲の中で最もリラックスした素晴らしい演奏であると言える。細かいことを言うと、ガット弦を使い始めたばかりの頃の録音である為か、まだガット弦の良さが充分に生かされているとは言い難い。とは言え、ミヒル・ニーセンのカーボン弦に爪を使った音が時折耳障りであるのは、ダーヴィッド・ヴァン・オーイェンのガット弦から出る心地よい音と比較されてしまうからかもしれない。これらの速い曲の間に対照的なゆったりとした(ソロの?)曲が1つ2つあったら、さらに素晴らしいCDになっただろうと思われる。ともあれ快挙であることは疑いない。』